一汁一菜

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一昨日…20日に御世話になる萬福寺さまから電話を頂戴しました。『お昼は高座前に召し上がりますか?後にされますか?』禅宗のお坊様は食事作法も厳しい修行のうちの一つであります。因みにお坊様は普段は『一汁一菜』が基本。







茶の湯では客人への持て成しの意味を込めて濃茶の前に御覧のような『一汁三菜』が提供されます。茶の湯は『侘び』の心ですから、脚のない膳(折敷:おしき)を用います。






室町時代に確立された本膳料理の基礎は【飯】【汁】【香の物】【なます】【煮物】【焼物】の六点セット。『飯』と『香の物』は菜の数にはカウントされないので、合計四品になりますが…四は『死』を連想させる為…汁と副菜を分けて『一汁三菜』と呼ぶようになりました。







【なます】は『膾』と書きます。日本書紀や古事記にも出て来ますが平安時代は生肉のことを『なます』と呼んだそう。其処から『なます』は『なま(生)+シシ(肉)』が転じたという説があって【漢字の部首に肉を意味する“にくづき”を使って】『膾』と書きます。魚介類の酢の物には魚偏の『鱠』を用います。子供の頃からこの酸っぱい『なます』が大の苦手でござんした。お袋に食べなさい!ってんでよく叱られたなぁ~(苦笑い)






室町時代の本膳料理は膳の数が兎に角!多い!『二汁五菜』高脚付きの膳でござんす。先ずは一の膳である『本膳』~『二の膳』~『三の膳』







本膳には『飯』『味噌仕立ての一の汁』『なます』『坪(壺型の深めの器)』『香の物』






二の膳には『すまし汁仕立ての二の汁』『器の形がイノシシの口に似ている猪口(ちょく)』『平たい器という意味合いの平(ひら)』落語『手紙無筆』をサゲまで喋れば登場しやす♪







三の膳には『尾頭付きなどの焼物』尾頭付きは落語『鮑のし』でお馴染み♪






昔は『五の膳』~『七の膳』って延々と膳が出されたそう。数は奇数と決まってます。蒲鉾や伊達巻きなどの『口取り』を載せた『五の膳』は『引き物膳』と呼ばれ、手をつけずに土産物として持ち帰るのが作法です。コレが今日の結婚式披露宴の引き出物の由来♪






御託を並べているうちにお昼ご飯がやってきます。腹が減った!(笑)