真名と仮名

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日本では固有の文字を持たなかったので漢字が伝えられるとその音訓を用いて日本語を表現しました。『万葉集』や『古事記』などはその手法で書かれています。万葉がなと呼ばれます。






稗田阿礼(ひえだのあれ)や太安万侶(おおのやすまろ)が『古事記』を筆録したのはこの万葉がなで表現しました。この太安万侶の『侶』も検索が(汗)






対して舎人親王(とねりしんのう)が中心となって太安万侶らによって編纂された『日本書紀』は純粋な漢文で書かれました。






大学の一般教養・国文学の授業で万葉集を読みましたが、なかなかどうして苦戦した思い出が。例えば~音の借用ですと『許己呂⇒こころ』、『美夜故⇒みやこ』。訓の借用ですと『名津蚊為⇒なつかし・夏樫⇒なつかし』。字遊びみたいな『戯書』という表記も…『十六⇒しし・四×四で十六』(苦笑い)





万葉仮名ですと…余能奈可波(よのなかは)牟奈之伎母乃等(むなしきものと)志流等伎子(しるときし)伊与余麻須万須(いよよますます)加奈之可利家理(かなしかりけり)大伴旅人






同じ様に…馬込文士村でもお馴染みの広津和郎の父親である広津柳浪(ひろつりゅうろう)の作品集を探して手にしたんですが…いわゆる文語調で、もう少し後にしてみよう♪と思った次第(笑)






それだけ最近読む太宰治のリズム感ある小説の文体が心地良いのかな?スウ~っと入って来る♪ (`∇´ゞ





何でこんな事を書いているかと言うと、我が国独自の平仮名・片仮名の誕生した素晴らしさに感心した次第! 漢字をまな(真名)と呼ぶのに対して…かな(仮名)♪





まな・かな…そんな双子女優が居ました。居ます。(笑)





漢字である…まな(真名)は男子が用いるものなので、かな(仮名)は女性が用いることで女流文学が誕生しました。『源氏物語』や『枕草子』が現在も読めるこの幸せ♪






片仮名は僧侶が経典に読みをつけたり、筆記したりする際の符号が発祥。漢字の偏やつくりを用いたことから誕生!獺祭の【獺】が読めなかった事や柳家小袁治師匠の【袁】の漢字を引っ張るコツは歴史書や漢字や故事来歴を勉強しないと駄目だと痛感。正に~“かたはらいたし”







平仮名は漢字を草書体にした草がなを更に簡単にしたもの。ワタシのお気に入りの風呂敷は芹澤銈介先生のデザインでござんす♪この芹澤先生の『銈・金偏に圭のけい』の漢字もなかなか難しい!検索に苦労する。携帯電話では空欄になってるでしょう?(笑)





以⇒い・呂⇒ろ・波⇒は・仁⇒に・保⇒ほ・部⇒へ・止⇒と・知⇒ち・利⇒り・奴⇒ぬ・留⇒る・遠⇒を・和⇒わ・加⇒か・与⇒よ・太⇒た・礼⇒れ・曽⇒そ・川⇒つ・祢⇒ね・奈⇒な・良⇒ら・武⇒む・宇⇒う・為⇒ゐ・乃⇒の・於⇒お・久⇒く・也⇒や・末⇒ま・計⇒け・不⇒ふ・己⇒こ・衣⇒え・天⇒て・安⇒あ・左⇒さ・幾⇒き・由⇒ゆ・女⇒め・美⇒み・之⇒し・恵⇒ゑ・比⇒ひ・毛⇒も・世⇒せ・寸⇒す・旡⇒ん(んの基になった漢字は…き…と読みます♪)



いろはにほへと(色は匂へど)ちりぬるを(散りぬるを)わかよたれそ(我が世誰ぞ)つねならむ(常ならむ)うゐのおくやま(有為の奥山)けふこえて(今日越えて)あさきゆめみし(浅き夢みじ)ゑひもせす(酔いもせず)いろは歌