漢文の素養も必要
永井荷風『濹東綺譚』を読んでいて[濹(ぼく)の漢字も携帯電話では空欄になるか…?マークにナルでしょうか?]、漢文の素養や旧い文語調の言葉を勉強しないとパッと読んで判らない[勿論〜漢字から推測してから辞書を引いて調べます♪]ものが多数…行間に。 (`∇´ゞ
この件も好きだ♪
日蔭に住む女たちが世を忍ぶ後暗い男に対する時、恐れもせず嫌いもせず、必ず親密と愛懍との心を起す事は、夥多の実例に黴して深く説明するにも及ぶまい。鴨川の芸妓は幕吏に追われる志士を救い、寒駅の酌婦は関所破りの博徒に旅費を恵むことを辞さなかった。トスカは逃鼠の貧士に食を与え、三千歳は無頼漢に恋愛の真情を捧げて悔いなかった。
『陋巷の私娼窟』…『瞬間の慰藉』…『狎昵の境を越えてむしろ放濫に走るきらいが』…『円タクの輻輳と夜店の賑わい』『お雪は…雞群の一鶴であった。』コレが理解デキるとすげー楽しい♪
※『陋巷・ろうこう~狭くて汚い町中の古風な言い回し』
※『慰藉・いしゃ~寂しさで満たされない心に安らぎを与えること』
※『狎昵・こうじつ~馴れ馴れしくすること』
※『放濫・ほうらん~気まぐれな願望を満足させるのに抵抗できないこと。耽溺』
※『輳輻・そうふく~縦列駐車か?』
※『雞群の一鶴・けいぐんのいっかく~多くの凡人の中で極めて優れているひと』
文学作品のタイトルだけで気になるのが盛り沢山♪
『相聞・あいぎこえ』与謝野鉄幹の歌集。『安愚楽鍋・あぐらなべ』仮名書魯文の作。『浅草紅団・あさくさくれないだん』川端康成の作。『羹・あつもの』谷崎潤一郎の作。『荒魂・あらたま』石川淳の作。『或る阿呆の一生・あるあほうのいっしょう』芥川龍之介の作。『斑鳩物語・いかるがものがたり』高浜虚子の作。『夷齋筆談・いさいひつだん』石川淳の随筆。『一口剣・いっこうけん』幸田露伴の作。『刺青・いれずみ』富田常雄の作。『陰翳礼賛・いんえいらいさん』谷崎潤一郎の作。
『末枯・うらがれ』久保田万太郎の作。『縁・えにし』野上弥生子の作。『於母影・おもかげ』森鴎外の訳詩集。『恩讐の彼方に・おんしゅうのかなたに』菊池寛の作。『婦系図・おんなけいず』泉鏡花の作。『筧の話・かけいのはなし』梶井基次郎の作。『蟹工船・かにこうせん』小林多喜二の作。
『黴・かび』徳田秋声の作。『閒花集・かんかしゅう』三好達治の詩集。『寒山拾得・かんざんじっとく』森鴎外の歴史小説。『城の崎にて・きのさきにて』志賀直哉の小説。『仰臥漫録・ぎょうがまんろく』正岡子規の作。『基督信徒の慰・キリストしんとのなぐさみ』内村鑑三の作‥など(笑)
なんと!徳田秋声の子息が玉ノ井ナンバーワンの美女と駆け落ちしたこともあったんですって(笑)